生徒の問題行動・人間関係の希薄化とその背景について②

 ●現在の人間関係の問題点と不安

 前回の事をまとめますと、昭和初期までは地域のコミュニティーによって大人たちの目が行き届いていた。個人で子どもを育てるというよりも地域ぐるみで子育てや教育をしていたと思われます。また隣に住んでいる人や周囲に住んでいる人がどのような人なのかをしっかりと把握することができていた。

 しかし現代の人間関係は都市への移住や核家族化によるコミュニティーの縮小によって「隣に住んでる人がどんな人なのか」や「周囲に住んでいる人の事」などの事が把握できない世の中です。最近では猟奇的な事件も多い事もあり、周りの人が何を考えているか分からないという不安。インターネットの普及で家から出なくても人と関われるようになった事が現代の人間関係の希薄化の要因であると考えられます。

〈問題点〉

 以前は地域全体が子どもを育てていた。大人の目が行き届いていたため、子どもが悪い事をしても親以外の周りの大人が子どもを注意し教育する事ができていました。しかし現代では地域のコミュニティーは縮小されていき、子育ては核家族化という狭い範囲で行われるようになりました。両親が共働きである家庭も多くあるため、親が夜遅くまで帰ってこない。その結果、親の目が子どもに行き届きにくくなる。この事が子どもの問題行動の一つの要因になっているのではないかと考えられると思います。